人生はただ生きるだけでなく、最大限に充実させることに意味があります。つまらないと感じる人生よりも、楽しい人生のほうがいいのは確かでしょう。
心身に不調を抱える患者は心が不安定になり、幸せを感じにくい状態になっていることが少なくありません。そのため、健常な人以上にクオリティ・オブ・ライフが重要になります。
クオリティ・オブ・ライフの向上を図るには、患者の不便や不安を解消してあげることが大切です。
クオリティ・オブ・ライフと聞くと、看護師が患者を徹底サポートする必要があると認識するかもしれません。しかし、価値観は人によって変わります。
例えば排泄のサポートをしてあげることに対して、助かると感じる患者もいれば、恥ずかしいから手を貸さないでほしいと感じる患者もいます。クオリティ・オブ・ライフに王道はないため、患者一人ひとりの性格や価値観を把握したうえで、何をしてあげるべきか考える必要があります。
例えば、会話するのが楽しみという患者であれば、看護師は積極的に話を聞いてあげるといいでしょう。一方で話すのは嫌いという患者に対しては、必要以上に話しかけない配慮が必要です。
相手に不安やストレスを与えてしまうようでは、クオリティ・オブ・ライフを低下させることになりかねません。患者に応じたサポートを提供するためには、患者の日々の行動をチェックし、何に対して興味を持っているか、何をするのが好きかなどを見極めていくことが大切です。